veil

須田景凪

笑えない日々を辿ったって
変わらない今を呪ったって
宙に舞った言葉じゃあなたを救えないのだろう

届かないままの景色と
温まることない痛みと
肩を寄せ合って歩いていた
遠いところへ行けるように

あなたの言う希望だとか
夢に見た理想ならば
どんなに冷たくたって愛してみせるよ

笑えない日々を辿ったって
変わらない今を呪ったって
宙に舞った言葉じゃ
あなたを救えないのだろう
不甲斐ない声で叫んだって
熱を持つ夜に変わっていく
この手が離れても
また歩いて行けるように

分かち合うことない言葉が
ふと気付く度に増えていた
今と向き合って変わっていく
その姿を見ていて欲しい

あなたの言う未来は
ただ この手に収まらなくて
どんなに繕ったって
その笑みの奥を疑ってしまうだろう

終わらない日々の向こうだって
救えないくらいの憂だって
この指がもがくほど
遠く滲んでしまうのだろう
触れない思いの色なんて
知りたくはないと思っていた
あなたが居なくても夢を見ていたいのに

象ったような不幸があなたを襲うなら
この手の平で触れていたいな
繕って吐いた言葉が誰かを呪うなら
口をつぐんでさ

笑えない日々を辿ったって
変わらない今を呪ったって
宙に舞った言葉じゃ
あなたを救えないのだろう
不甲斐ない声で叫んだって
熱を持つ夜に変わっていく
この手が離れても
また歩いて行けるように
さよならは言わずに
何処かでまた会えるように