Diver

NICO Touches the Walls

あの水平線が遠ざかっていく
青すぎた空には明日すら描けなくて
息もできないくらい澱んだ人の群れ僕はいつからここに潜り込んだんだ

悲しみなんて吐きだして
前だけ見てればいいんだっけ
それじゃとてもまともでいられない
すべてを僕が敵にまわしても
光をかすかに感じてるんだ
そこまで行けそうなら

息をしたくて ここは苦しくて
闇を見上げるだけの夜は
もがく減圧症のダイバー
生きているんだって 確かめたくて
深い海底を目指して もう一度呼吸をしよう

頭の中の地図をひっくり返したら
足りないものだらけで 独り怯えた昨夜
僕は強いんだってずっと思ってた
誰よりも強いってずっと思ってた

迷子になった白鳥が
星の夜空に浮かんでいた
慰めのように降り出した雨
だけどどうやら僕らはなれそうもない
星が星なら僕は僕さ
どこまで行けそうかな

重たい錨を背負い込んで
ほんの少し祈りを吐きだして
まるで合図のように降り出した雨

息をしたくて ここは苦しくて
闇を見上げるだけの僕じゃ
浮かぶ方法もないダイバー
生きているんだって 確かめたいならそう
深い海底を目指して もう一度だけ

息をしてみて
ただの幸せに気づいたら もう二度と溺れないよ