迷える羊

Kenshi Yonezu

ねえ 生まれてきた日を 思い出せるかい
シナリオの 最初の台詞を
舞台は巡り 演劇は続く楽屋には サンタマリアがいない

最初で最後の歌を 上手く歌えないのに
監督たちは 沈黙を守る
脚本の終わりは 書きあがっていない
祈る様に 僕は口を開いた

「千年後の未来には 僕らは生きていない
友達よ いつの日も 愛してるよ きっと」

誰かが待っている 僕らの物語を

背骨をなくした 大きな機械が
美しく 都市を跨いでいく
屋台は崩れ 照明が落ちる
観客は 白い眼

列なす様に 演劇は続く
今も新たに 羊は迷う
堪うる限りに 歌を歌おう
フィルムは回り続けている

「千年後の未来には 僕らは生きていない
友達よ いつの日も 愛してるよ きっと」

「君の持つ寂しさが 遥かな時を超え
誰かを救うその日を 待っているよ ずっと」

誰かが待っている 僕らの物語を