アイネクライネ

Kenshi Yonezu

あたしあなたにあえて
本当に嬉しいのに
当たり前のようにそれらすべてが

悲しいんだ
今痛いくらい
幸せな思い出が
いつか来るお別れを

育てて歩く

誰かの居場所を奪い
生きるくらいならばもう

あたしは石ころにでも
なれたならいいな
だとしたら勘違いも
戸惑いも無い
そうやってあなたまでも

知らないままで

あなたにあたしの思いが
全部伝わって欲しいのに

誰にもいえない秘密があって
嘘をついてしまうのだ
あなたが思えば思うより
いくつもあたしは

意気地がないのに
どうして
どうして
どうして

消えない悲しみも
綻びも
あなたといれば
それでよかったねと

笑えるのが
どんなに嬉しいか
目の前のすべてが
ぼやけては
溶けていくような
奇跡であふれて
足りないや
あたしの名前を
呼んでくれた

あなたが居場所をなくし
彷徨うくらいならばもう
誰かが身代わりになれば
なんて思うんだ
今ささやかで
確かな見ないふり
きっと繰り返しながら
笑いあうんだ

何度誓っても
何度祈っても
惨憺たる夢を見る
小さな歪みが
いつかあなたを
呑んでなくしてしまうような
あなたが思えば思うより
大袈裟にあたしは
不甲斐ないのに
どうして
どうして
どうして

お願い
いつまでも
いつまでも
越えられない夜を
超えようと手をつなぐ
この日々が
続きますように
閉じた瞼さえ
鮮やかに
彩るために
そのために
何が出来るかな
あなたの名前を
呼んでいいかな

生まれてきた
その瞬間にあたし
消えてしまいたいって
泣き喚いたんだ
それからずっと
探してたんだ
いつか出会える
あなたの事を

消えない悲しみも
綻びも
あなたといれば
それでよかったねと
笑えるのが
どんなに嬉しいか
目の前のすべてが
ぼやけては
溶けてゆくような
奇跡であふれて
足りないや
あたしの名前を
呼んでくれた
あなたの名前を
呼んでいいかな