世界の秘密

Sayuri

夜が明けたら花が咲いて
東の空へ登り出す
街が目を覚ますその前にそっと開く 世界の秘密

子供の頃の宝箱に
あなたは何を隠したの
心の声を言葉に込めて
耳元で揺れるプリズム

何も変わらなく見える日々の片隅で
何かが欠けては生まれ続けている
駅前の角の空白に何があったか
不意に思い出してみるような あぁ

目には見えない知らない叫びたい愛が
どこかで小さく世界を救った
笑う 泣きそうに笑うあなたが
雲の切れ間に一人凛と立つ

鍵穴を覗けば優しい秘密が
今日も時計の針を回している
誰かが呼ぶ声がした
約束をしてたんだ
今日もあなたはネジを回し行く

五時のチャイムが街に響いて
家の明かりが灯り出す
行き交う背中 寄り添う影
窓の奥に広がる秘密

放たれた言葉ばかりを追いかけては
その声の思いにいつも気付けなかった
祈るより黙ったあなたの後姿が
不意に目蓋の裏に映った

上手く言えずに届かない滲んだ願いが
今も胸の奥住み着いている
満ちて満ちても欠けてゆく人の
移ろいに一人戸惑いながら

ページを捲れば優しい記憶が
今日も遠くから日々見守ってる
誰かが水を花壇にそっとあげていた
そして私もネジを回し行く

名前や形を変えながら愛が
風に紛れて街に息づいてる
笑う 泣きそうに笑うあなたの
欠片を拾うように歩く

目には見えない知らない叫びたい愛が
どこかで小さく世界を救た
笑う 泣きそうに笑うあなたが
雲の切れ間に一人凛と立つ

鍵穴を覗けば優しい秘密が
今日も時計の針を回している
誰かが呼ぶ声がした
約束をしてたんだ
そして世界はネジを回し行く