色取り取りのパラソルが まばらに 遠く 咲いている
防波堤が区切る空には 冷めた水色が広がる
そよ風に紛れ 孤独が さも 親しげに 忍び寄る波間に揺れる太陽は この手に 決して掴めなくて
夏が終わってゆく 君に 打ち明けられないままで
友達だと言い聞かせて 壊れないように 距離を守っている
泡のように 期待なんて 浮かんでは すぐに はじける
燃え尽きてしまえば花火は 砂の中に埋もれ眠る
あの日 彼を見つめていた その横顔を 思い出す
絵葉書のような景色さえ 翳むほどに 美しくて
夏の日差しの中 惑う 心 悟られぬように
黙り込んで 瞼閉じても 君の残像は消せなかった
夏が終わってゆく どこか 変わること 拒んでいる
断ち切れない この想いに 縛られたままで 次の季節へ