化け猫

キタニタツヤ

君を撫でて
顔を埋めて
不機嫌な面で睨まれたいな路地裏に消えてく君の
二股のしっぽも愛おしい

僕のことをじっと見つめるのに
カメラを向けたら目を背けるの
烏の濡れ羽と同じ色
足音も立てず夜に溶けた

愛想のない君は化け猫
ガラスの瞳に赤い満月が映った
愛憎渦巻く街の路地裏で
取り殺されても構わないよ